配偶者の行動を自分で調査しても大丈夫?素行調査は探偵への依頼が安全な理由を法律から解説

パートナーの浮気や不審な行動が気になるとき、自分で素行調査をしてみようと考える方は少なくありません。実際、「探偵に依頼すると費用がかかる」と懸念し、自力で尾行して浮気の証拠を集めようとするケースもあります。しかし、配偶者であっても無断で監視や尾行を行うことには、思わぬ法的リスクがあることをご存じでしょうか。本記事では、自分で素行調査を行うことがなぜ危険なのか、そして専門家に依頼することの意義を、法律の観点からわかりやすく解説します。

まず理解しておきたいのは、日本では夫婦間でも個人のプライバシー権が尊重されているという点です。婚姻関係があるからといって、相手の行動を一方的に監視する権利が与えられているわけではありません。特に関係が悪化していたり、別居中の場合、自らが行った尾行が「つきまとい行為」とみなされ、違法と判断される可能性もあります。

ストーカー行為等の規制等に関する法律、いわゆるストーカー規制法では、恋愛感情や怨恨に基づいて繰り返される尾行・監視行為をストーカー行為として禁じています。この法律は夫婦間にも適用されることがあり、調停中や離婚協議中などに一方がもう一方を無断で尾行すれば、警告や禁止命令を受ける可能性があります。

さらに、軽犯罪法第1条第33号では「正当な理由なく、ひそかに人の行動を見張ったりつけ回したりすること」を処罰対象としています。浮気を疑っての調査であっても、自ら勝手に相手を尾行すれば、軽犯罪法違反になるリスクがあるのです。

民事の観点からも注意が必要です。民法709条に基づき、他人のプライバシーを侵害したと判断されれば、不法行為として慰謝料請求を受けることもあります。たとえば、車やスマートフォンに無断でGPSを取り付けたり、自宅を監視カメラで撮影した場合などは、明確にプライバシーの侵害とされるケースがあります。

こうしたリスクを回避し、確実に証拠を収集したい場合は、信頼できる探偵事務所に素行調査を依頼するのが最も安全で現実的な方法です。探偵業は「探偵業の業務の適正化に関する法律」に基づいて営業しており、法律を順守したうえで、調査対象者の行動を合法的に観察し、必要な証拠を収集する技術と経験を持っています。

調査の際には、公共の場所での撮影や尾行など、法律に反しない方法で行動パターンを確認します。また、調査報告書には日時、場所、状況が詳細に記録されており、離婚調停や慰謝料請求などの法的手続きにおいて有力な証拠資料となります。

一方、自分で尾行した場合は、証拠が不十分である、写真や記録の信頼性が低い、相手に気づかれて関係がさらに悪化するなど、多くのデメリットが伴います。裁判所では、適法かつ客観的な証拠が重視されるため、感情的に行動した結果として手に入れた証拠が逆に自分の立場を不利にすることもあります。

実際の裁判例でも、探偵による適切な素行調査が認められ、慰謝料の支払い命令につながったケースは数多くあります。一方、自力での尾行や録音、盗撮が原因でトラブルになり、逆に訴えられたというケースもあるため、慎重な対応が求められます。

配偶者の不審な行動に気づいたとき、自分で何とかしようとする気持ちは理解できますが、調査の進め方を誤ると、取り返しのつかないトラブルに発展する可能性があります。トラブルや違法行為を避けるためにも、素行調査は専門の探偵に任せ、適法かつ冷静に進めることが大切です。

本記事は一般的な法律知識をもとに作成されており、個別のケースに対する法的判断は、弁護士などの専門家にご相談ください。

出典:
探偵業の業務の適正化に関する法律(警察庁)
ストーカー行為等の規制等に関する法律(e-Gov)
軽犯罪法(昭和23年法律第39号)
民法709条(不法行為)

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